〜いつまでも永遠に〜

                                〜第零章〜

 

赤い海が広がっている・・・。

そのほとりに1人の少年・・・・・。

人類補完計画という名のサードインパクト・・・その寄り代とされた少年・碇 シンジ・・・

虚ろなその瞳には・・何も映していない。

数時間前に、もう1人の生き残り・・・アスカがLCLと1つになってしまった・・・。

そして・・・現在・・・・シンジただ1人が残されてしまった・・・。

そして・・・虚ろな瞳を赤い海に向けて・・1人立ち尽くしている。

赤い海に向けて・・1人・・・・心の中で自問自答する・・・。

(どうしてこんなことになってしまったのだろう?僕がもう少ししっかりしていればこんなことにならなかったのでは・・・?)

(知りたい!こんな風になってしまった理由を!そして・・・これからどうしたらいいのか・・・・。)

そんな風に考えながら・・シンジは、LCLの赤い海に身を沈めていく・・・・・。

LCLに沈むシンジ・・・・・

そのLCLの海の中で・・・念じる・・・。

(知りたい!こんなことになった理由を!)

そう・・強く念じる。

すると・・・・シンジの脳裏に様々な知識が入ってくる・・・。

ゼーレの老人たちの考えも・・・自分の父ゲンドウの考えも・・・母のことも・・・・ミサトさんのこと・リツコさんのこと・アスカのこと・綾波のこと・様ような学問の知識まで・・・。

そして、自分が寄り代となったが故に・・自分は、使徒の力・・アダム・リリス・そして・・ダブリスの力を持っていること。

そして・・人間でなく・・使徒となってしまったこと・・。

いろいろなことが理解できてしまっていた。

得た知識を元に・・・自分がすべきことを考える。

「どうすべきなんだろう・・・。僕は・・・僕は!こんな結末を望んではいない!だから、この力で世界を再生する!そして、僕は・・僕は、ネルフのみんなの前から姿を消そう・・・。京都のおじいさまのところにでも居させてもらおう・・・・。」

そう・・宣言した後・・・目を閉じ・・集中する。

虹色の光が世界中を埋め尽くしていく・・・。ATフィールドが展開されていく。

そして・・・すべてのモノが再生されていく。

もちろん・・綾波レイや渚 カオルの2人も・・今度は、人間として再生されていく。

そして・・・シンジは、ネルフの者たちが、気がつく前に・・・姿を消すのであった。

世界を再生させられるほどの力を行使したせいだろう。

強大な力を得た代償として・・・シンジは、アルビノの外見・・そして、瞳は、右が金色・左が紅というオッドアイになり・・・性別も男性でなく女性となってしまったのであった・・・。

そして・・極めつけは・・不老不死というか・・・複数のコア・・S2機関を持ってしまったが故に、外見年齢15歳となり、そして・・・不老不死となってしまったのである。

 

 

 


そして・・・5年の歳月が過ぎようとしていた。

 

京都・・・・碇家・・・・

庭で、1人の少女が鍛錬をしている。

言われなくてもわかるだろうか?・・・この少女こそ、碇 シンジ少年の変わり果てた姿だった。

蒼銀の髪をなびかせ・・・金と真紅の瞳には意思の光が宿っている。

呼吸を整え・・・静かだが・荘厳な雰囲気がかもし出されている・・・。

タン・・タタン・・・・

地面を踏む音と・・息遣いの音だけが響いている。

数分とも数時間ともとれる時間が経過しただろう・・・。

動作がゆっくりになり・・・そして・・・・鍛錬の音が聞こえなくなる・・・。

 

パチ・・パチ・・パチ・・・・・・・・・・

と・・・突然・・拍手の音が響き渡る・・・。

シンジは・・・音がした方向を向く・・・・。

「相変わらず美しい動きだな。鍛錬を欠かさないとはな。」

感心したような声が響く。

「おじいさま・・・。何か御用でしょうか?」

驚きつつ・・・首をかしげ・・・疑問を投げかける。

「いや・・・たまにはと思ってな。おまえの鍛錬風景を見てみたくてな。」

「それにしても・・5年でここまでの腕になるとは・・・すばらしい才能だな。」

「後で、わしの部屋へ来てほしいのだが・・・話があってのう・・・。」

そう、シンジに話しかける。

「そ・・そんな。おじいさま・・・そこまでおっしゃらなくても・・・・。」

「はい・・・。後で伺います・・・。それでわ・・・。」

少し照れながら・・その場を後にしつつ・・答える・・・。

 

・・・・・・・・・1時間後・・・・・・・・・・・

 

コン・コン・・・・

「おじいさま・・・シンジです。」

ノックをしながら、中の祖父に声をかける。

「入ってよいぞ・・。」

中から返事が返される。

「何でございましょう?おじいさま。」

首を傾けながら、祖父に疑問をなげかける・・・。

「おまえの親権の件でな。ユイとゲンドウから親権を剥奪する手続きが終わってな・・・。わしが親権者となった。」

「それに伴って、おまえの戸籍も変えたんじゃ。新しい名前は・・・”碇・シン”じゃ。性別の欄は、一応女性と直してある。」

「それと・・この5年間の間に卒業していた大学のほうにも・・変更届けを出したし・・・・それに伴って、所得していたものもすべて変更済みじゃ!」

「後・・・もう1つ・・ユイとゲンドウは、碇家から離縁・・・追放となった。あの2人の苗字は、六文儀じゃ。」

と・・シンジに話して聞かせた。

「・・・・そうですか。・・・縁が切れたのですね・・・。あの2人から・・・・・。」

「複雑な気分ですね・・・。まあ・・自業自得ですね・・あの2人は・・・。」

と・・シンジ・・・いや・・・シンは、複雑そうな顔をしながら・・・そうのたまわった・・・。

 

「話は、変わるが・・・アークシステムのほうの状況はどうなっておるんじゃ?」

と・・シンに問いかける。

「そうですね・・・。スーパーコンピューターアークのシステムの解析は順調です。僕とのオペレートリンクも成功しています。」

「ただ・・・問題なのは・・リンクすると精神力がかなり消耗します。後・・もう1つ・・・僕以外ではたぶんリンクすることもできないだろう・・という点ですね。」

「まあ・・エヴァンゲリオンと同じようなものですね・・・。」

と・・こともなげに話す・・シン・・・・・・・・

「そ・・そうか。ふむ・・・・・おまえしか使いこなせない・・という訳か・・・。」

思案気な顔をしながら・・・・・・・

「ふふふ・・・おじいさま。アークは良い子ですよ。僕にとって生涯の友でしょうね・・・。」

少し嬉そうに話すシン・・・・

「そうか・・・。おまえの嬉しそうな顔を見ると、わしまで嬉しくなってくるわい・・・。」

と・・こちらも嬉しげな碇翁・・・・・

その場に・・・ノックの音が響く・・・。

コン・コン・・・・・・・・・・・・

「会長、書類をお持ちしました。」

そう・・声をかけながら・・1人の青年が現れる。

会長秘書の近藤 トオルであった。

この秘書のトオルは、シンの掛け替えのない大切な人だったりする・・・。つ・ま・り・・”恋人”・であった。

「トオル!久しぶりに会えて嬉しいよ。最近、仕事忙しくて会えなかったけど・・・・時間できるよね・・・・。」

トオルに抱きつきながら、そうまくし立てるシン・・・・・・・・

「会長・・・これをどうぞ。シンさま・・都合がつきますよ・・・。」

抱きつかれつつ・・・冷静に仕事をこなすトオル・・・・・・・・・・

「うん!じゃあ・・今日、僕の部屋に来て!」

うれしそうにしているシン・・・・・・・・・

そして・・・祖父の部屋から出て行くシン・・・・・・・

「それでは失礼しました。」

部屋を出て行くトオル・・・・・・・・

あっけにとられる碇翁・・・・・・・・

その日・・シンの部屋から明かりが消えることはなかったという・・・・。

 

 


・・・いつまでも永遠に・・・第零章・・・は、いかがだったでしょうか?

私の初のエヴァSS・・しかも、連載物です。

EOEアフター物です。

この作品のほかにも、連載作を予定してます。

それでわ・・・次回をお楽しみに!

 

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